デュッセルドルフ ”アルトビール”と ”ドイツビール”について

デュッセルドルフ アルトビールと ドイツビールの違いについて

ドイツビールとひとくくりに言っても、地域によって飲まれているビールは様々。

日本でも飲まれている、いわゆるラガービールは Pils(ピルスビール)
ビアフェスタで飲まれている、ミュンヘンなど、南ドイツのWeiss Bier(ヴァイツェン 白ビール)

そして、日本人在住数 No.1のデュッセルドルフでは Alt Bier(アルトビア)

そんなドイツビールについてまずは歴史からお伝えして、最後にデュッセルドルフのビールについて、おススメのお店などをお知らせします。

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ドイツとほかの国のビールとの大きな違い

ドイツとほかの国のビールとの大きな違いは二つあります、それは、
・修道院が作成していたほど、ながーい 歴史があるコト。
・法律で成分がコントロールされているコト。

ドイツビールの ながーい 歴史

「ドイツといったらビール」、そういわれるほどドイツとビールは切っても切り離せない関係にあります。
ドイツでのビールは昔むかし修道士が教会のなかで醸造し、販売していたもの。ドイツの歴史はビールがセットなのです。

ソフィー
そもそもビールってどんな歴史があるの?
メイ
ビールは紀元前4000年以上も前、メソポタミア文明の農耕生活から生まれたという記録が残ってるよ

 

およそ500年前、1516年4月23日にバイエルン公ヴィルヘルム4世が「ビール純粋令」を制定しました。

ドイツビールを守っている、「ビール純粋令」って?

一言で言うと「ビールは大麦、ホップ、水のみを原料にすること」という法律です。
なので、ドイツビールは純度がとても高く、どのビールも『純粋なクオリティ』が一定以上キープされています。
地域ごとに違うビールが生産されていますが、この純粋令があるお陰でどのビールも確かなものばかり。

他の国のビールはよく原材料に安いコーンスターチや米など他のものを混ぜることがあります。

 

ドイツでビールを飲む心得&豆知識

16歳から飲酒可能

ドイツの飲酒可能年齢は16歳。ただし蒸留酒は18歳からとなっております。
ビールは16歳から飲んでOK。現地では「他の強いお酒を飲む練習になる」と言われています。
ちなみに渡航者はドイツ現地の法律や条例が適用されるので、日本人でも16歳以上ならビールを飲むことができます。

 

ビールは水よりも安い

レストランなどの価格表を見ると、水よりビールの方が安いのです。
ビールにかかる税金が安いのも理由のひとつ。
一番節約できるのがお酒というのにはびっくり。

飲酒運転OK

ビール2杯程度の飲酒なら車の運転も大丈夫。
ドイツでは血中アルコール濃度の単位が「パーミル」と表現されますが、0.5パーミル以上が検出されると犯罪です。
なので、多少なら大丈夫ですが飲みすぎると違反になるので注意が必要。

 

オーダーはスマートに、がドイツ流

ブラウハウスとは、ひとことで言うとビール醸造所兼レストランのこと。ブラウエライとも言います。
混みあっていても日本のように手を上げて大きな声でウェイターを呼ばなくても、メニューを閉じて視線を送ればまず飲み物のオーダーを取りに来てくれます。
大体、その醸造所のビールが出てきます。

 

主なドイツビール

ケルシュ

デュッセルドルフの近く、「ケルン」で製造されている伝統のドイツビールのこと。

フェルンゼーヘビール

日本で見かけるドイツビールは大体これ。
地域関係なく、全国どこでもスーパーやKIOSKキオスク(デュッセルドルフではTrinkHalleと呼ばれる)で購入できます。

ヴァイスビール

南ドイツでよく飲まれるビール。
オクトバーフェストのオフィシャルビールはこのヴァイスビール。

 

ドイツの代表的ビール「アルトビール」

当記事ではドイツの日本人街、デュッセルドルフで一番飲まれているであろうアルトビールについて詳しくご紹介します。
各ブラウハウス(ビール醸造所の意)ごとに味わいが違うので、ぜひいろいろなブラウハウスを巡ってみて。

アルトビールの「アルト」って?

「アルト」はドイツ語で「古い」の意味。
ミュンヘンなど南部のビールより古くからの製法でつくられているからこの名前がついたそう。

アルトビールの歴史

アルトビールは18世紀ごろから造られた上面発酵のビールです。
やや高めの温度で発酵を行う「上面発酵」という方法を使って作られるアルトビール。ライン川沿いの街、デュッセルドルフで主に醸造されています。品質と味の保存が難しく、賞味期限も短いため、ぜひフレッシュな作りたてを現地で飲みたいビール。

 

アルトビールの常識

価格

0.25リットルの小さなグラスで提供され、大体1杯あたりの値段は 2.2€ほど。

見た目

ブラウンで、味はコクと味わいが深く、フルーティーでさっぱりした口当たりです。

アルトビールは薫り高く、フルーティーな印象。酵母の香りを堪能できます。
まるで草原に座って、草木の香りを吸い込んでいるかのような気分になる味が特徴。

デュッセルドルフのスーパーには5Lのアルトビール樽や瓶で販売されていますが、やはり醸造所で直接飲むものとは風味が異なります。

ソフィー
伝統的ビール!
メイ
デュッセルドルフに観光にきた際はぜひ比較してみてね

提供方法

ブラウハウスでアルトビールを飲んでいるとノンストップで運ばれてきます。
ケルナー(ウェイター)は常に客のビアグラスを見ており、グラスの中身が残り2センチ程度になると、自動的に、次のビールを持ってきてくれます。
いわゆる わんこそば 形式ですね。
もう飲めない、というときはコースターをグラスの上に置いてふたをして。
これがストップの意思表示です。

 

 

アルトビールといえばここ!老舗のご紹介

 

ソフィー
出来立ての新鮮なアルトビールを飲みたいけれどお店がいっぱいありすぎて!どこがいいの?!
メイ
筆者おすすめのアルトビール醸造所をピックアップしたよ!

Zum Schlüssel

 

デュッセルフラウ一押しのアルトビール醸造所「ブラウアライ ツム シュルッセル(日本語訳:ビール醸造所 鍵)」

「シュルッセル」は1850年から続くアルトビール醸造所。2010年と2014年には「ヨーロピアンビールスターアワード金賞」を受賞しています。
直営店舗のブラウハウスはアルトシュタットのみで、レストランに卸している所もチラホラ。

アルトシュタット付近では、ライン川沿いの「カーゼマッテン」などのレストランで頂くことができます。

夏には店舗の目の前にあるネアンデルタール教会やハインリッヒハイネの生まれた家を眺めながらビールが飲めます。
またビールの工場見学もできます。オリジナルグッズもたくさんあるのでデュッセルドルフのお土産にぴったり。

Zum Schlüssel
Bolkerstraße 41-47, 40213 Düsseldorf, ドイツ

Uerige

ウーリゲ(変わり者)の意味を持つアルトビールの老舗。
コチラのブラウハウスは建物がとても古く、1600年からあるそう。
フードメニューは少なく、メットブロートヒェン・チーズ・スープ・パン、といったBierhappen(ビールのお供)程度。
さくっとアルトビールを立ち飲みしたい、友人たちと夏空の下、外で過ごしたい。
そんなときに気軽に立ち寄れます。待ち合わせなどにもオススメ。
週末のウーリゲは立ち飲み客でごった返しており、店の前を通り過ぎるのも大変なほど。皆がアルトビールを楽しんでいます。

また、向かいにキルペッシュ(デュッセルドルフのハーブリキュール)が飲める小さなショットバーがあります。
店内でゆっくり飲むのもよし、テイクアウトするのもよし。
こちらもデュッセルドルフっぽくて、観光の際はぜひ立ち寄ってみてほしいお店。

Uerige
Berger Str. 1, 40213 Düsseldorf, ドイツ

 

Brauerei Schumacher

 

1838年から続くこちらのアルトビールの老舗、「シューマッハー」。日本人街「インマーマン通り」のすぐそばにあります。
Oststr.(※説明?土地名でしょうか?)にも店があるからか、日本人に一番馴染みがあるアルトビール醸造所です。

「シューマッハー」はフードメニューもブラウハウスらしい「シュバインハクセ」「シュニッツェル」、ライン地方名物の血のソーセージとアップルソース 「Himmel & Aerde」などがあります。
こちらもデュッセルドルフ観光にぴったりです。

2013年5月1日の創立175周年を記念して新発売した「1838er」は少しアルコール度数が高く、濃厚な味。
通常のアルトビールより少し高めの価格設定ですが、麦がダイレクトに舌に伝わり、飲めば「凄い」と唸ってしまうでしょう。
ぜひ店頭でお試しあれ。

Brauerei Schumacher |
Oststraße 123, 40210 Düsseldorf, ドイツ
▼ アルトシュタット、しゅるっせるの向かいにもあります(席はせまめなので、はしごしない場合、Oststr,のお店の方が居心地がいいです。)
Bolkerstraße 41-47, 40213 Düsseldorf, ドイツ

 

Brauerei im Füchschen

 

Altstadt(旧市街アルトシュタッド)エリアの一番北にあるアルトビールの老舗、「ブラウアライ イム フックスヒェン」(日本語に訳すと、ビール醸造所 キツネちゃん)

こちらのレストランは1640年から営業しており、2019年(※2023年?!)の現在も週末や木曜などは店外にまで沢山の客であふれています。
そんな老舗「フックスヒェン」、1848年からアルトビールが造られるようなり、現在はノンアルコールのアルトビールやピルスなども製造しており、アルトビールの老舗の中では一番商売上手。
街でよく見かけるキツネのポスターもこちらの醸造所のもの。

デュッセルドルフ市内のレストランやバーにも多く卸しています。市内のいろんなレストランやバーで、木樽からフックスヒェンのアルトビールが飲めます。

Brewery im Füchschen
時間 11時00分~0時00分 ぐらい
Ratinger Str. 28, 40213 Düsseldorf, ドイツ

Brauerei Kürzer

 

Kurze通りにある比較的新しいアルトビールの醸造所「クルツァー」。
とってもヒップで、ケルナーも若くてすがすがしい、気持ちの良いお店。
食べ物も日替わりのメニューがあり、小腹が空いたときにつまむのにちょうどいいものばかり。

客の年齢層が若めのクルツァーは、週末になると店外に人が溢れ、路肩を通り過ぎれないほどの大勢の人が立ち飲みをしています。
店内はまるでクラブのような雰囲気。
20代の人を連れていくと必ずリピーターになるというこちらのお店、アルトビールのお味も新しい感じ。
(木樽に入れられておらず、自動でグルグル回る樽に入っています)

Brauerei Kürzer
時間 15時00分~1時00分 ぐらい
Kurze Str. 20, 40213 Düsseldorf, ドイツ

ドイツでビールを楽しもう

 

日本ではまだあまり売られていない、デュッセルドルフのアルトビールを中心にご紹介しました。
ドイツに来た時しか飲めない、作り立てで酵母の香りのするブラウハウス(ドイツ語でビール醸造所の意)で飲むドイツビールのおススメをまとめました。

デュッセルドルフ在住の私がまとめていますので、アルトビールびいきになっています。

ちなみに、私のビールの好みは、ドイツに引っ越す前はエビスビールが大好き、アサヒスーパードライはあまり好きではありませんでした。
その後『ミュンヘンでヴァイスビールを日曜の朝から飲んでから教会に行く』という夢のようなドイツの習慣に遭遇し、しばらくはヴァイスビールも好きでした。

そんな私ですが、デュッセルドルフに引っ越すことに。そこでアルトビールを50杯ぐらい飲んだあたりから、アルトビールが大好きになってしまいました。

やはり、ローカルなビールはとてもフレッシュで、瓶や樽に詰められたビールよりもおいしいのです。
デュッセルドルフを訪れる機会があれば、試しに50杯アルトビールをブラウハウスで飲んでみてください。きっと大好きになります!

日本で缶ビールを飲んでいた自分が今では信じられません。

そしてこのドイツビール辞典は、ドイツに旅行や出張で来る機会がある皆さんに、本当においしいビールを味わってほしくてまとめました。

今後も各ビールを追加していく予定です。これ紹介してほしい! 飲んでレビューしてほしい! などのご意見・リクエストをお待ちしています。問い合わせフォームからどうぞ!

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